難治性ニキビの改善・治癒を促進する治療医薬品です。皮脂腺の活動を減少させると共に、皮膚の角質化を防ぎニキビの生成を防ぎます。
この薬は非常に効果的であり、使用後のニキビの再発も少ないことから、20年以上の歴史があり、欧米では「ニキビ治療の切り札」と言われています。
その強力な作用のため、医師指導のもと用法と用量を守って使用して頂きます。
イソトレチノイン(アクネトレント)とは?
イソトレチノイン(アクネトレント)はイソトレチノインとというビタミンAの一種で、皮脂の過剰な分泌を抑え、アクネ菌に対する抗菌作用と抗炎症作用を持つため、重度の炎症を伴うニキビに効果的です。
世界的にも、中から重度のニキビ治療に広く使用されており、使用後の改善率は90%以上、再発率は30%以下と報告されています。ただし、1~2%の患者には効果が見られない場合もあります。
服用は1日1回、食後に行い、治療開始から1ヶ月間は約30%の患者に一時的な悪化が見られることがありますが、16~24週間で効果が見込めます。
イソトレチノイン(アクネトレント)の適応
こんな方におすすめします。
- 中等度~重度の慢性的なニキビで悩んでいる方
- 強いしこりや凹凸のニキビが出来てしまう方
- 治療をしたがニキビの改善が見られなかった方
- ニキビが悪化してきた方
- 保険治療が無効であり再発を繰り返す方
イソトレチノイン(アクネトレント)の作用
イソトレチノイン(アクネトレント)には以下の3つの主要な作用があります。
細胞の正常化:皮脂腺と表皮細胞の機能を正常化し、ニキビの原因となる過剰な皮脂分泌と異常な角化を防ぎます。
皮脂腺の退縮:直接的な抗菌作用はないものの、皮脂分泌を減少させ、アクネ菌の生息環境を悪化させます。
抗炎症作用:アクネ菌に対する免疫応答を正常化し、ニキビの悪化を防ぎます。
副作用
副作用には、アナフィラキシー、抑うつ状態、眼疾患、肝機能障害、腎機能障害、視力障害、胸の圧迫感、息切れ、皮膚の乾燥、口渇、発疹、頭痛、吐き気、下痢、嘔吐、脱毛、過度の発汗、関節炎などがあります。
併用出来ない薬剤・治療
以下の薬剤・治療とは併用出来ませんのでご注意ください。
- ミノマイシン・ビブラマイシン等のテトラサイクリン系の抗生物質
- サプリメントを含むビタミンA製剤
- フェニトイン、ステロイド
- 光・レーザー・ピーリングは内服期間中と治療後1か月
治療を受けられない方
- 15歳未満の方
- アレルギーのある方
(アスピリン喘息のある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方) - フルクトース不耐症の方
- 精神疾患をお持ちの方
- 妊娠中/妊活中/授乳中の方
- 炎症性腸疾患をお持ちの方など
- レーシック手術の前後6ヶ月の方
持病、既往歴、アレルギー、内服薬・外用薬、妊娠・出産、その他お客様のお肌の状況によっては医師の判断により施術をお断りすることがございます。
イソトレチノインの重大な副作用の一つに、流産や胎児の奇形を引き起こすという副作用があります。
そのため、服薬前1ヶ月〜服薬終了後6か月間は妊娠してはいけません。またその期間の献血も中止となっています。
肝腎機能悪化のリスクや血糖値上昇のリスクがあるため、肝腎機能異常がある方や糖尿病の方は内服に注意が必要です。
18歳未満の方は初診時には保護者の方と同伴でなければ、薬の処方はできません。再診時はご本人だけでも診察可能です
治療・通院の流れ
内服薬の処方には、必ず医師の診察が必要となります。
治療適応である方は、初回採血(¥5,500税込)により内服治療が可能かどうかを確認します。
健康診断など直近の採血結果での代用も可能です。
1週間後に採血結果を確認し異常がなければ治療開始します。
1ヶ月後、内服後も肝障害などの副作用がないことを確認する必要があります。
毎月1回受診し、必要時採血を行い、副作用がないか経過を観察していきます。
通常4~6ヶ月を1クールとして内服を終了します。
ニキビの治りが悪い場合、延長することもあります。
個人差はありますが、内服終了後3~5年ニキビができにくくなります。
気になるほどの再発がある場合は、1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取り、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。
費用
診察料は別途になります。
※体重や重症度により内服量を調整することがあります。
1錠(10mg)1ヶ月分(30日分) | 9,600円(税込) |
---|---|
1錠(20mg)1ヶ月分(30日分) | 14,300円(税込) |