尋常性乾癬

  • 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)とは、盛り上がった赤い発疹ができ、そこに銀白色の鱗屑(フケのような垢)ができてポロポロとはがれ落ちる病気です。
  • 全身どこにでもできますが、頭皮・膝・肘など、外部からの刺激が強い部分に特に出やすく、約半数の方はかゆみを伴います。
    伝染する(うつる)病気ではありません。
    本来自分自身を守るべき免疫のバランスが崩れて、自身の皮ふを攻撃してしまうことから発症します。
    当院は乾癬の日本皮膚科学会認定乾癬分子標的薬(生物学的製剤)の使用承認施設です。
  • https://www.dermatol.or.jp/modules/
    biologics/index.php?content_id=4
  • 基幹病院にて事前検査(血液検査、胸部レントゲン等)を行っていただき、適応を確認して投与を行っています。注射の製剤によっては当院で導入も可能です。
    注射の他には内服薬も出てきていますので、従来の治療で治りにくい手ごわい乾癬でお困りの方はお気軽にご相談ください。

    乾癬治療のピラミッド計画

    乾癬の治療方法は重症度に応じて異なります。
    重症度に応じた乾癬治療の基本的な考え方は、図のピラミッドのように、重症度が上がるにつれ、ピラミッドの上の段の治療に変えるという、乾癬治療のピラミッド計画と呼ばれています。

    軽症の方は塗り薬だけでも改善が期待できます。
    重症の方ですと、塗り薬で 皮疹が改善しても次々に新しい症状が出てくる恐れがあるため、紫外線を当てる光線療法や重症度に応じて図のピラミッドにあるようなのような内服療法 (飲み薬) を併用します。
    それでも症状を抑えきれない場合、生物学的製剤を使用します。なお、重症の方や皮疹が軽くても関節炎などがある方は、はじめから 生物学的製剤等から治療を始めても構いません。
    当院は生物学的製剤投与承認施設であり、お困りの方はお気軽にご相談ください。

    乾癬治療のピラミッド計画

    ①外用療法
    (ビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬)

    ②光線療法
    (エキシマ、ナローバンドUVB)

    ③PDE4阻害薬
    (オテズラ®)、ビタミンA誘導体(チガソン®

    ④免疫抑制剤
    (免疫抑制剤(シクロスポリン®

    ⑤生物学的製剤
    (ソーティクツ、コセンティクス、トルツ、スキリージ等)

    生物学的製剤は、乾癬を引き起こすサイトカインを直接抑制するため、高い効果が期待できます。
    一方で、これらのサイトカインは体を守る免疫の働きも持っているので、生物学的製剤で働きを抑えることにより、風邪などの感染症にかかりやすくなる可能性があります。

    生物学的製剤は注射で投与します。(※ソーティクツのみ内服薬)注射は病院やクリニックで行いますが、注射で投与する生物学的製剤の中には、患者様自身による注射(自己注射)が認められているものもあります。
    自己注射をする場合は、医療関係者の指導のもとで、自己注射のやり方を患者様自身で習得して頂く必要があります。
    また自己注射をする際は主治医に指定された投与間隔や投与量を守って使用する必要があります。

  • 関連ページ:エキシマ光線療法(セラビーム)