アレルギー性皮膚疾患の検査薬 パッチテストパネル®(S)

※10月〜5月(秋、冬、春)の期間のみ検査可能です。夏期は行っておりません。

繰り返すアレルギー性の湿疹や肌荒れの原因として、金属や日常品の成分が挙げられます。

原因検索のため、日本人がかぶれを起こしやすい物質の抗原を製品化したパッチテストパネル®を背中に貼付して確認を行います。(保険診療になります。3割負担で約¥5,000)

  • 詳しくは:佐藤製薬アレルギー性皮膚疾患の検査薬 パッチテストパネル®(S)
  • 本剤に含まれるアレルゲン/種類/暴露源

    1. 硫酸ニッケル 金属 ニッケル合金、ニッケルメッキ、歯科用合金、染料、時計、塗料、チャック、コインなど
    2. ラノリンアルコール 油脂 つや出し、化粧品、外用剤、日焼け止め、石鹸など

    3. フラジオマイシン硫酸塩 抗生物質 外用剤

    4. 重クロム酸カリウム 金属 セメント、なめし剤、クロムメッキ、歯科用合金、革製品(靴、ブーツ、グローブ)、染料など
    5. カインミックス 局所麻酔剤 外用剤

    6. 香料ミックス 香料 食品、キャンドル、香水、トイレットペーパー、化粧品、外用剤、石鹸など
    7. ロジン(精製松脂) 樹脂 インク、ニス、塗料、染料、ワックス、化粧品、接着剤など
    8. パラベンミックス 防腐剤 食品、石鹸、化粧品、外用剤など
    10. ペルーバルサム 樹脂 香料、外用剤、ソフトドリンク、化粧品、接着剤、日焼け止めなど
    11. 金チオ硫酸ナトリウム 金属 貴金属、電子部品、歯科用金属など
    12. 塩化コバルト 金属 セメント、インク、絵具、鍵、ファスナー、エナメルなど
    13.p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂 樹脂 ゴム・革製品(靴、ハンドバック、時計のベルト、帽子、ベルトなど)、接着剤など
    14. エポキシ樹脂 樹脂 接着剤、コーティング剤など
    15. カルバミックス ゴム硬化剤 ゴム製品
    (ジフェニルグアニジン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)(ブーツ、靴、ゴーグル、イヤホン、医療用手袋など)
    16. 黒色ゴムミックス ゴム老化防止剤 黒色のゴム製品
    17. イソチアゾリノンミックス 防腐剤 外国製化粧品、洗い流すタイプのシャンプー・リンス、工業用防腐剤など
    19. メルカプトベンゾチアゾール ゴム硬化剤 ゴム製品(ブーツ、靴、ゴーグル、マット、ウェットスーツ、医療用手袋など)
    20. パラフェニレンジアミン 染料 毛染め・織物・毛皮などの染料、インク、ヘナタトゥなど

    21. ホルムアルデヒド 防腐剤 衣類の仕上げ剤、接着剤、防腐剤、塗料など
    (N-ヒドロキシメチルスクシンイミド※2)

    22. メルカプトミックス ゴム硬化剤 ゴム製品
    (モルホリニルメルカプトベンゾチアゾール、N-シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド、ジベンゾチアジルジスルフィド) (ブーツ、靴、ゴーグル、マット、ヘッドフォン、コード、ホース、消しゴムなど)
    23. チメロサール 水銀化合物 ワクチン、点眼液、ソフトコンタクトレンズの洗浄剤など
    24. チウラムミックス ゴム硬化剤 ゴム製品(テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジスルフィラム、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド) (ブーツ、靴、接着剤、プラグ、ゴーグル、マット、ヘッドフォン、ホースなど)

    View39アレルギー検査

    重要な39項目の特異的IgEを少量の採血で同時に測定できる、新しいアレルギー検査です。

    〇この検査は、13項目のアレルギー検査費用と同じ価格で、39項目のアレルギー検査ができます。
    ★3割負担で約¥5,000

    〇検査結果まで約1週間、保険が使用できる検査です。お気軽にご相談ください。

    〇問診から原因のアレルゲンが推定できない患者さんや、学童期以降のアトピー性皮膚炎患者さん、PFS(pollenassociated food allergy syndrome; 花粉関連食物アレルギー症候群)合併が疑われるアレルギー性鼻炎の患者さんのスクリーニング検査として有用です。


    測定可能な39項目

    吸入系 ・その他アレルゲン(19項目)
    ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト1、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ガ、ゴキブリ、スギ、ヒノキ、ハンノキ(属)、シラカンバ(属)、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア(属)、ラテックス

    食物系アレルゲン(20項目)
    卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、ピーナッツ、大豆、米、ゴマ、ソバ、エビ、カニ、キウイ、リンゴ、バナナ、マグロ、サケ、サバ、牛肉、鶏肉、豚肉

    検査内容

    • 〇1回の採血で、39項目の特異的IgEを調べます。
    • 〇検査結果まで、約1週間です。
    • 〇保険が使用できる検査です。

    かいせん(疥癬)

    疥癬の原因

    疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の表層に寄生しておこる皮膚の病気です。

    ヒゼンダニは0.2ミリメートルから0.4ミリメートルの白っぽい体をしていますが、肉眼で虫体を見分けるのは困難です。

    感染経路として、皮膚と皮膚が接触することによる感染、寝具の共有などによる感染、角化型疥癬(重症型)の患者さんを介した感染などが上げられます。

    ヒゼンダニの感染力は弱く、健康な人には感染しにくいと言われていますが、家族内や介護施設などで疥癬の患者さんと長時間接する機会がある場合には注意が必要です。

    疥癬の症状

    虫や糞に対するアレルギー反応により、激しいかゆみを伴う小さく盛り上がった皮疹が体中に出ます。

    しばしば湿疹、虫さされ、じんましんなどと似た病状がみられますので、皮膚科での顕微鏡を使った検査をおすすめします。

    疥癬の治療

    ヒゼンダニを殺す目的で外用療法(フェノトリンローション)や内服療法(内服薬のイベルメクチン)、もしくは両者の併用が行われます。
    フェノトリンローションは1週間隔で少なくとも2回、皮疹のない部位も含め首から下に外用します。

    飲み薬としては、イベルメクチンを空腹時に1回服用します。1週間後にヒゼンダニがいるか確認し典型的な皮疹があれば再度服用します。また、かゆみの症状を緩和するために抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。

    疥癬の治療は、ヒゼンダニが検出されて疥癬であると確定した患者さんだけでなく、確定診断された患者さんと接触する機会があり、明らかに疥癬の症状を呈している人にも行うことがあります。

    疥癬の予防

    疥癬を予防するためには患者を早期発見することが大切です。そのため、気になる症状があった場合には速やかに皮膚科を受診し、虫卵や虫体の鏡検の検査を行うことが勧められます。

    また、万一患者が見つかった場合には、症状がなくても患者と生活をともにする人、患者と接触があった人も検査を受けるようにしましょう。

    患者と触れ合う機会がある人は、接する前後に手洗いをしっかり行うことを心がけましょう。
    また、長い時間肌が触れ合う状態は避け、同室で就寝することは避けましょう。
    タオルなどは共用せず、分けて使用することを心がけましょう。


  • ◆詳細は、東京都の疥癬対応マニュアルもご参照ください。
  • 東京都の疥癬対応マニュアル
  • じんましん

    じんましんの原因

    じんましんは、食物が原因になることはよく知られていますが、細菌やウイルス感染なども原因になります。

    じんましんは、すべてがアレルギー性とは限らず、皮膚をこすったり、圧迫した所に出たり(物理性じんましん)、温度の変化(温熱、寒冷じんましん)、入浴や運動・精神的緊張などによる発汗(コリン性じんましん)なども原因になります。
    また、何週間も続けて繰り返して出没するじんましんの場合には、食物が原因になっている場合はほとんどありません。

    約7割以上のじんましんは直接的原因や誘因がはっきりせず、色々な検査をしても原因や誘因を特定出来ないことも多々あります。

    じんましんの症状

    皮膚の一部が突然に赤く盛り上がり、痒みを伴うのが特徴です。虫さされのように見えますが、通常、十分から数時間以内のうちに消える場合は「じんましん」の可能性が高いといえます。

    かいたりすると広がったり、他の場所にも出たりします。時には、次々に新しい皮疹が現れたり消えたりしながら1日中続くこともあります。

    症状が出始めてから1ヶ月以内のものが急性じんましん、症状が1ヶ月以上も続くものを慢性じんましんといいます。

    じんましんの対策

    じんましんの治療で最も大切なことは原因を見つけだすことです。まず、食物などで原因が分かっていれば避けましょう。魚介類や肉類は新鮮なものを食べ、添加物や着色料の少ない食品にすること。
    また、ひっかいたり・皮膚への圧迫、運動や入浴など温度刺激や発汗で悪化するなど特定の誘因で出る場合は、これらの誘因を避けることが必要です。

    原因のはっきりしない慢性じんましんでは、ストレスや疲労などが原因となり、過敏体質と組み合わさって症状が繰り返されることが多いので、日常生活では疲労やストレスをためないことも大切です。

    じんましんの治療

    じんましんにはヒスタミンという物質が関係しており、じんましんの種類にかかわらず、この働きを抑える抗ヒスタミン薬の服用が治療の基本です。抗ヒスタミン薬は何種類もあり、人によって効く薬が違ってきます。

    また、抗ヒスタミン薬は眠気が起こることがあります。車の運転や危険な仕事をする人は注意が必要です、最近では眠気のほとんど起こらない薬もでていますのでご相談ください。

    慢性じんましんでは、長期にわたり薬を飲み続ける必要がありますが、長期連用による影響はほとんどありません。まずは自分に合った薬を見つけることが大切です。

    症状に合わせて薬の量を調整しながら徐々に減らしていき、治療を終了させることもできます。

  • 難治性の原因のはっきりしないじんましんの方には保険適応のゾレア®注射も行っております。
  • ●ゾレア注射について
    https://www.okusuri.novartis.co.jp/xolair/csu
  • 内服薬で治療に難渋している方はご相談ください。