かいせん(疥癬)

疥癬の原因

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の表層に寄生しておこる皮膚の病気です。

ヒゼンダニは0.2ミリメートルから0.4ミリメートルの白っぽい体をしていますが、肉眼で虫体を見分けるのは困難です。

感染経路として、皮膚と皮膚が接触することによる感染、寝具の共有などによる感染、角化型疥癬(重症型)の患者さんを介した感染などが上げられます。

ヒゼンダニの感染力は弱く、健康な人には感染しにくいと言われていますが、家族内や介護施設などで疥癬の患者さんと長時間接する機会がある場合には注意が必要です。

疥癬の症状

虫や糞に対するアレルギー反応により、激しいかゆみを伴う小さく盛り上がった皮疹が体中に出ます。

しばしば湿疹、虫さされ、じんましんなどと似た病状がみられますので、皮膚科での顕微鏡を使った検査をおすすめします。

疥癬の治療

ヒゼンダニを殺す目的で外用療法(フェノトリンローション)や内服療法(内服薬のイベルメクチン)、もしくは両者の併用が行われます。
フェノトリンローションは1週間隔で少なくとも2回、皮疹のない部位も含め首から下に外用します。

飲み薬としては、イベルメクチンを空腹時に1回服用します。1週間後にヒゼンダニがいるか確認し典型的な皮疹があれば再度服用します。また、かゆみの症状を緩和するために抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。

疥癬の治療は、ヒゼンダニが検出されて疥癬であると確定した患者さんだけでなく、確定診断された患者さんと接触する機会があり、明らかに疥癬の症状を呈している人にも行うことがあります。

疥癬の予防

疥癬を予防するためには患者を早期発見することが大切です。そのため、気になる症状があった場合には速やかに皮膚科を受診し、虫卵や虫体の鏡検の検査を行うことが勧められます。

また、万一患者が見つかった場合には、症状がなくても患者と生活をともにする人、患者と接触があった人も検査を受けるようにしましょう。

患者と触れ合う機会がある人は、接する前後に手洗いをしっかり行うことを心がけましょう。
また、長い時間肌が触れ合う状態は避け、同室で就寝することは避けましょう。
タオルなどは共用せず、分けて使用することを心がけましょう。


  • ◆詳細は、東京都の疥癬対応マニュアルもご参照ください。
  • 東京都の疥癬対応マニュアル