アトピー性皮膚炎治療薬

デュピクセント®(デュピルマブ)について

デュピクセント®はアトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因であるサイトカインのIL-4/13をブロックする注射薬です。
既存の治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、高い改善効果と安全性を示しており、これまでにない画期的なアトピー性皮膚炎治療薬とされています。

適応
  • 15歳以上のアトピー性皮膚炎の方
  • ステロイド外用薬・プロトピック軟膏などの抗炎症外用薬を一定期間使用して十分な効果が得られなかった方
投与できない方
  • デュピクセント®に含まれる成分に対して、アレルギー反応を起こしたことのある方
投与において注意が必要な方
  • 寄生虫感染のある方
  • 生ワクチンを接種する予定のある方
  • 妊婦または妊娠している可能性がある方、授乳中の方
  • 高齢の方
  • 喘息等のアレルギー性疾患をお持ちの方(デュピクセントを使用したい旨を主治医の先生にご確認ください)
副作用
  • デュピクセントは副作用が少なく重篤な副作用報告はほぼありません。
  • 比較的多くみられる副作用として一過性の結膜炎が出ることがあります。

実際の治療の流れ

初回、2回目の注射はご予約の上、医師や看護師にて皮下注射を行います。
自宅にて自己注射希望の方には注射のやり方をご説明いたします。
※冷蔵した薬剤を45分以上かけて常温に戻す必要があるため、必ず予約が必要です。

投与開始日1回目のみ、2本を皮下注射します。
その後2回目からは当面2週間に1回、1本を皮下注射します。

デュピクセントは指導を受けご自身でご自宅で注射が可能となります。自己注射のメリットは以下の通りです。

  • 通院にともなう時間的な制約や負担を軽減できる
  • 高額療養費制度で自己負担額を減額できる(※所得による)

他院でデュピクセント®を導入済みの方

デュピクセント導入時の医師の皮膚症状の評価をお持ちいただくことを推奨いたします。

費用について

デュピクセント導入には薬剤費に加え診察料などがかかります。

☆金額面の負担の軽減に、別項目に記載した医療費控除制度をご利用いただくことを推奨しています。


医療費助成制度

患者さんの経済的な負担を軽減するため、医療費の助成制度があります。
1年間で支払った医療費の総額により還付金を受け取れる医療費控除や、1ヵ月の間に医療機関の窓口で支払った額が、一定の金額を超えた場合に、金額が払い戻される高額療養費制度を使うことをご検討ください。

●お電話での相談も可能です。
デュピクセント相談室0120-50-4970(ゴーヨクナレ)にて
平日9:00~17:00に専任スタッフが対応いたします。

その他の助成制度

●付加給付制度(健康保険組合等の独自制度)
ご加入の医療保険(保険者)によっては、独自に「付加給付」として国が定めるよりも手厚い医療費助成を行っている場合があります。ご加入の保険者(健康保険組合等)にご確認ください。
お問い合わせ先:健康保険証に記載されている保険者(健康保険組合等)

●学生などへの医療費補助制度
大学などの学校では、独自に学生の医療費負担を補助する制度を運営している場合があります。
手続きが必要な場合もありますので、詳しくは学生課などにご確認ください。
お問い合わせ先:大学の学生課等

●ひとり親家庭への医療費補助制度
自治体によってはひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)の方に医療費助成を行っている場合があります。助成内容や自治体により異なります。お住いの自治体にご確認ください。
お問い合わせ先:お住いの自治体



詳しい費用に関するお問い合わせで不明点は、保険証をご用意の上、サノフィ株式会社のデュピクセント相談室にご相談ください。

デュピクセント®を使用される患者さんへ

アトピー性皮膚炎の患者さんへ
https://www.support-allergy.com/atopy/


  • 関連ページ:アトピー性皮膚炎
  • デュピクセント注射:難治なアトピー性皮膚炎治療

    デュピクセント®の治療の流れ

    難治なアトピー性皮膚炎の方へ

    治療可能な方

    • 15歳以上のアトピー性皮膚炎の方
    • 今までの治療方法(ステロイド外用剤、プロトピック軟膏、コレクチム軟膏)を一定期間継続してもあまり効果がない方

    作用機序

    デュピクセントはアトピー性皮膚炎で過剰に働くサイトカインのIL-4/13をブロックし、アトピー性皮膚炎の根本的な原因へ働きかけるという特徴があります。
    IL-4/IL-13は、皮膚のバリア機能を低下させます。そのため、紫外線、汗、アレルギー物質などの刺激でかゆみや痛み、炎症などが生じやすくなります。

    デュピクセントを利用しIL-4/13を抑制することでかゆみ、皮膚の炎症などを抑え、アトピー性皮膚炎を改善させていきます。

    IL-4/IL-13は、アトピー性皮膚炎のほかに同様の機序で生じる気管支喘息や慢性副鼻腔炎の治療にも用いられています。

    投与方法

    • 投与開始日のみ、2本を皮下注射します。
    • その後しばらく2週間に1回、1本を皮下注射します。
    • 自己注射により維持期の通院は3か月に1回でも可能です。
    • 注射は押し当てるだけのオートインジェクターですので操作がとても簡単です。
    • 初回と2回目は当院にて看護師が指導しますのでご安心ください。

    当院での診療の流れ

    1)受診初回・診察、適応の有無の確認。

    • 皮疹の確認/評価 (皮疹面積、重症度スコア、患者満足度)。
    • 1回目薬剤投与の日時を決め、予約します。
    • 動画にて実際の投与方法を確認していただきます。
    2)注射1回目:希望日

    • 動画にて実際の投与方法を確認して頂きます。
    • 当院看護師と一緒に注射の練習、指導いたします。2本目はご自身で注射していただきます。
    3)注射2回目:初回から2週間後

    • ご自身にて注射して頂きます。
    4)注射3回目以降

    • 患者さんご自身で注射投与して頂きます。
    • 1.2回目で問題なく施術できましたら、3回目から受診時は診察と処方のみとなり、2週間に1回自宅にて自己注射となります。
    • 3か月分まで処方可能です。

    デュピクセント®ペンの薬剤費

    ※別途診察代等かかります。お値段は大まかな目安です。
    ※勤務先によっては記載より安くなることもあります。

    自費(10割負担)の方
    初回(2本) 2回目以降(1本)
    ¥133,124(税込) ¥66,562(税込)
    窓口負担 3割の方
    初回(2本) 2回目以降(1本)
    ¥39,937(税込) ¥19,969(税込)
    窓口負担 2割の方
    初回(2本) 2回目以降(1本)
    ¥26,625(税込) ¥13,312(税込)
    窓口負担 1割の方
    初回(2本) 2回目以降(1本)
    ¥13,312(税込) ¥6,656(税込)

    医療費助成制度について

    デュピクセントを導入した患者さんは、その効果に大変満足されておりますが、「治療費が高い」と考える方もおられます。

    国の定めた高額療養費制度

    年齢、収入により異なりますが、費用負担が軽減されるケースがあります。企業によっては一定額以上の医療費は健保組合が負担してくれるということがあります。勤務先の組合、役所にご確認ください。

    ひとり親家庭への医療費補助制度
    自治体によってはひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)の方に医療費助成を行っている場合があります。助成内容や自治体により異なりますので、詳しくはお住いの自治体にご確認ください。

    学生などへの医療費補助制度
    大学などの学校では、独自に学生の医療費負担を補助する制度を運営している場合があります。手続きが必要な場合もありますので、詳しくは大学の学生課などにご確認ください。

    他院にて導入済みの方

    すでに他院で導入済みの方にもご対応可能です。デュピクセント初回導入時の医師の皮膚症状の評価が必要になりますので、必ず紹介状をご持参ください。

    >>デュピクセント®について詳しく

    イボ・水イボ

    イボ(ウイルス性疣贅)

    イボ(ウイルス性疣贅)とは?

    イボ(ウイルス性疣贅)はヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷から表皮の角化細胞に感染しておこります。HPVに感染した角化細胞は分裂速度が速まるため、その部分の表皮が肥厚してイボになります。大勢のヒトがはだしで行動するプールサイドや公衆浴場の脱衣所などで感染することもあり、家族内では皮膚の直接の接触の他、共用しているサンダル、タオルや風呂場のマットを介しての感染もあります。

    最初のうちは小さかったイボも、イボのウイルスが増殖を続け周囲の角化細胞に感染を拡げて行くため、徐々に大きくなり、やがて離れた場所にも感染してイボの数が増えてしまうことがあります。 イボは小さく、数が少ない場合は比較的短期間で治癒させることが可能すが、大型のものや多発したものはウイルス量も多いため難治性となり、他人への感染源としても問題になります。できるだけ早期に、きちんと治したほうが良いでしょう。 体にイボのウイルスに対する抗体ができると、イボが自然に治ることがあります。

    しかし、抗体ができるまでの期間は個人差が大きく、放置していると何年たってもイボが治らない人もいます。しかも、その間イボは増え続け、外見上の問題とともに、周囲の人へ感染させるリスクも続くことになります。

    治療

    液体窒素療法
    簡便でもっとも一般的な治療法です。超低温の液体窒素でイボを凍結して壊死させます。1〜2週間に1回の頻度で繰り返すことで徐々にイボは小さくなって行きます。イボに対しての液体窒素療法はウイルス量を減らす必要があるため、痛みを感じる程度にしっかりと強力に行ったほうが治療効果は高い傾向があります。
    特に多発性のイボや大型のイボの治療は繰り返し、根気よく続ける必要があります。イボは治療に時間がかかりますが、必ず治る病気ですので、あきらめないで治療を続けていくことが重要です。

    水イボ(伝染性軟属腫)

    子どもに多く伝染性軟属腫ウイルスで発症するの病気です、直径数mmから5mmくらいのツルツルした光沢のある皮膚の小さな盛り上がりです。

    発疹ひとつひとつにウイルスの塊が入っており、掻き破ったりして中身が出て、周囲に広がっていくことがあります。
    また、水いぼの感染している皮膚が接触して他の人にもうつることがあります。

    みずいぼの一般的な治療はピンセットでつまんで小さな白い塊(ウイルスの塊)を出すことです。
    この方法が最も早く確実な治療法といえますが治療には痛みを伴います。

    ★当院では痛みをやわらげる麻酔テープもご用意があります。
    ご希望の方はお申し出てください。
    また治癒を早める効果が期待されるMBクリーム(自費診療 ¥2,200税込)もございます。

    アトピー性皮膚炎

    アトピー性皮膚炎は皮膚の外的刺激から防御する能力であるバリア機能の低下と過敏に反応する体質(アレルギー体質)によって生じる、痒みを伴う湿疹が、慢性的に悪化や改善を繰り返す皮膚病です。
    遺伝的傾向と、生活環境の因子が複合して生じるのがアトピー性皮膚炎です。

    アトピー性皮膚炎の原因

    アトピー性皮膚炎の悪化には、アレルギー反応やバリア機能の障害がかかわってきます。

    ひとりひとりに個別の悪化要因がありますが、共通の悪化原因として、乾燥、発汗、皮膚の汚れ、ストレスまた、皮膚を掻く行動も大きな悪化要因となります。

    室内のほこりや、布団やぬいぐるみのダニが原因の場合があります。また、ペットの毛なども原因になることもあります。
    石鹸、ボディーソープ、シャンプー、リンスなども皮膚に刺激になる場合があります。

    アトピー性皮膚炎の治療

    日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づき、ひとりひとりの症状に合わせた標準治療を行います。

    日々のケアで良好なコントロールを維持していくために、当院では保湿剤、ステロイド外用剤の塗り方、内服薬のタイミング等の指導に力を入れております。

    症例によっては光線治療(エキシマレーザー)や、新しい治療薬(デュピクセント注射、コレクチム軟膏等)もご提案しております。お気軽にご相談ください。

    外用療法

    皮膚のバリア機能を補う保湿剤と生活指導を中心とし、日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎ガイドラインに従い、症状に応じた適切な強さのステロイド剤、またはコレクチム軟膏やプロトピック軟膏等の非ステロイドの外用剤を用いて治療していきます。

    経過によっては再発を予防するプロアクティブ療法を行うこともあります。

    適宜、必要な場合はエキシマ等の光線療法、難治な場合はデュピクセント注射等のご提案もさせていただいております。

    エキシマ光線療法

    紫外線の免疫抑制作用を利用して、過剰反応を起こしている皮ふの症状を沈静化させる「光線療法」と呼ばれる治療方法です。

    これまでの光線療法よりさらに効果が高いと言われている、短い波長の紫外線を患部に照射して処置する新しい光線療法です。

    従来よりも短い波長を使うことで、肘や膝など、今まで治療が難しかった部位でも高い治療効果が期待できます。

  • 詳しくは、エキシマ光線療法(セラビーム)をご覧ください。
  • デュピクセント注射

    アトピー性皮膚炎で過剰に働くサイトカインIL-4/13をブロックして、かゆみ、皮疹への効果を発揮します。

    2023年9月:アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント注射が小児も適応となりました

    デュピクセント注射:https://www.support-allergy.com/atopy/dupixent/dosing

    デュピクセント注射

  • デュピクセント®(デュピルマブ)注射が生後6ヵ月以上より適応となりました。ステロイド外用や内服治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、高い改善効果と安全性を示す薬剤として評価されています。
  • 当院は生物製剤承認施設として多くの患者さまへデュピクセント(デュピルマブ)の治療を行っており、初めて導入される場合にも安心して治療を受けていただけるように取り組んでおります。

    難治なアトピーでお悩みのお子様、保護者の方はお気軽にご相談ください。

  • 詳しくは、デュピクセントをご覧ください。
  • TARC検査

    白血球走化作用を持つケモカインの量を図る血液検査であるTARC(Thymus and activation-regulated chmokine)によって、アトピー性皮膚炎の病態を客観的に数値化することができるようになりました。

    アトピー性皮膚炎が重症の状態の場合ほど、数値が上昇し、寛解に向かうほど減少します。
    TARC検査が生まれたことで、皮膚状態は改善をしてきていても、重症度が高くまだ治療のゴールに達していない場合があることが分かってきました。TARCの数値が正常化する前に治療を中止すると、症状はすぐに悪化してしまいがちです。

    月に1回程度の検査を持続することで、薬をやめるタイミングを間違いにくくなります。

    内服薬での治療

    抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬など、アレルギー症状やかゆみをおさえる薬を内服することがあります。

    症状が悪くないときにも、予防的な意味からも服薬することがあります。

    12歳以上であれば現在ではリンヴォック®等のアトピー性皮膚炎に大変効果のある保険適応の内服薬も出ています。
    当院でも治療を行っておりますので、ご興味のある方はご相談ください。
    医師の指示のもと、正しく服用する必要があります。

    また、早い段階で湿疹を抑えることができるかが、色素沈着を防ぐ重要なカギとなります。

    保湿

    保湿皮膚の乾燥は、皮膚のバリア機能を落とし、症状を悪化させたり治りにくくさせたりします。保湿剤をつかって、十分な保湿を心がけることが大切です。

    水分やセラミドを補うもの、油分で皮膚を覆って水分の蒸発を防ぐものなど、いくつかのタイプがあります。剤形にもクリーム、ローション、軟膏などがあり、保湿効果や使用感が異なります。

    医師に相談をして、自分の皮膚に合ったものを選びましょう。症状が治まっているときでも、保湿だけは頻回にマメに行うことが大切です。


  • 関連ページ:エキシマ光線療法(セラビーム)
  • 関連ページ:View39アレルギー検査
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