アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は皮膚の外的刺激から防御する能力であるバリア機能の低下と過敏に反応する体質(アレルギー体質)によって生じる、痒みを伴う湿疹が、慢性的に悪化や改善を繰り返す皮膚病です。
遺伝的傾向と、生活環境の因子が複合して生じるのがアトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の悪化には、アレルギー反応やバリア機能の障害がかかわってきます。

ひとりひとりに個別の悪化要因がありますが、共通の悪化原因として、乾燥、発汗、皮膚の汚れ、ストレスまた、皮膚を掻く行動も大きな悪化要因となります。

室内のほこりや、布団やぬいぐるみのダニが原因の場合があります。また、ペットの毛なども原因になることもあります。
石鹸、ボディーソープ、シャンプー、リンスなども皮膚に刺激になる場合があります。

アトピー性皮膚炎の治療

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づき、ひとりひとりの症状に合わせた標準治療を行います。

日々のケアで良好なコントロールを維持していくために、当院では保湿剤、ステロイド外用剤の塗り方、内服薬のタイミング等の指導に力を入れております。

症例によっては光線治療(エキシマレーザー)や、新しい治療薬(デュピクセント注射、コレクチム軟膏等)もご提案しております。お気軽にご相談ください。

外用療法

皮膚のバリア機能を補う保湿剤と生活指導を中心とし、日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎ガイドラインに従い、症状に応じた適切な強さのステロイド剤、またはコレクチム軟膏やプロトピック軟膏等の非ステロイドの外用剤を用いて治療していきます。

経過によっては再発を予防するプロアクティブ療法を行うこともあります。

適宜、必要な場合はエキシマ等の光線療法、難治な場合はデュピクセント注射等のご提案もさせていただいております。

エキシマ光線療法

紫外線の免疫抑制作用を利用して、過剰反応を起こしている皮ふの症状を沈静化させる「光線療法」と呼ばれる治療方法です。

これまでの光線療法よりさらに効果が高いと言われている、短い波長の紫外線を患部に照射して処置する新しい光線療法です。

従来よりも短い波長を使うことで、肘や膝など、今まで治療が難しかった部位でも高い治療効果が期待できます。

  • 詳しくは、エキシマ光線療法(セラビーム)をご覧ください。
  • デュピクセント注射

    アトピー性皮膚炎で過剰に働くサイトカインIL-4/13をブロックして、かゆみ、皮疹への効果を発揮します。

  • 詳しくは、デュピクセントをご覧ください。
  • TARC検査

    白血球走化作用を持つケモカインの量を図る血液検査であるTARC(Thymus and activation-regulated chmokine)によって、アトピー性皮膚炎の病態を客観的に数値化することができるようになりました。

    アトピー性皮膚炎が重症の状態の場合ほど、数値が上昇し、寛解に向かうほど減少します。
    TARC検査が生まれたことで、皮膚状態は改善をしてきていても、重症度が高くまだ治療のゴールに達していない場合があることが分かってきました。TARCの数値が正常化する前に治療を中止すると、症状はすぐに悪化してしまいがちです。

    月に1回程度の検査を持続することで、薬をやめるタイミングを間違いにくくなります。

    内服薬での治療

    抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬など、アレルギー症状やかゆみをおさえる薬を内服することがあります。

    症状が悪くないときにも、予防的な意味からも服薬することがあります。

    重症化した場合は、免疫抑制の飲み薬を一定期間使うことがあります。強い薬のため、医師の指示のもと、正しく服用する必要があります。

    また、早い段階で湿疹を抑えることができるかが、色素沈着を防ぐ重要なカギとなります。

    保湿

    保湿皮膚の乾燥は、皮膚のバリア機能を落とし、症状を悪化させたり治りにくくさせたりします。保湿剤をつかって、十分な保湿を心がけることが大切です。

    水分やセラミドを補うもの、油分で皮膚を覆って水分の蒸発を防ぐものなど、いくつかのタイプがあります。剤形にもクリーム、ローション、軟膏などがあり、保湿効果や使用感が異なります。

    医師に相談をして、自分の皮膚に合ったものを選びましょう。症状が治まっているときでも、保湿だけは頻回にマメに行うことが大切です。


  • 関連ページ:エキシマ光線療法(セラビーム)
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