白斑(はくはん)

原因

白斑は皮膚の色素細胞が何らかの原因で減少・消失することで、その部分が白く色が抜ける病気です。 何らかの原因で自己免疫により色素細胞への炎症が生じていることが推測されています。 
また、老人性白斑といって、色素細胞の老化現象として小さい白斑が生じることもあります。

増悪因子

推定されているのは、甲状腺の機能障害(甲状腺炎や橋本病、バセドウ病など)や、悪性貧血、糖尿病、梅毒、C型肝炎等があります。
難治の場合は血液検査などて調べることがあります。

治療

自己のメラニンに対する攻撃を抑えるためにステロイド外用剤やタクロリムス外用剤、併用して活性型ビタミンD外用剤を用いることがあります。

エキシマ光線療法:
残った皮膚の色素細胞を活性化させるのに有用とされており、当院でも行っております。

カモフラージュメイク:
医療用の白斑用化粧品(ダドレス®等)を用いて、白斑を目立たなくさせるカモフラージュメイク療法などもあります。ご希望の方にはご紹介しておりますので、お気軽にご相談ください。


  • 関連ページ:エキシマ光線療法(セラビーム)
  • 掌蹠膿疱症

  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや足の裏にうみをもった膿疱ができる病気です。治ったりできたりを周期的に繰り返すのが特徴で、出始めにはかゆみを伴うことも多いです。また、約10%の患者さんは関節や骨の炎症を併発し、痛むことがあります。
  • 膿疱は無菌性で、伝染することはありません。
  • 原因ははっきりとは分かっていませんが、扁桃腺や虫歯、鼻などの細菌による感染や、歯科金属(パラジウムなど)に対するアレルギーが関係して発病している可能性が考えられています。

  • 関連ページ:エキシマ光線療法(セラビーム)
  • 尋常性乾癬

  • 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)とは、盛り上がった赤い発疹ができ、そこに銀白色の鱗屑(フケのような垢)ができてポロポロとはがれ落ちる病気です。
  • 全身どこにでもできますが、頭皮・膝・肘など、外部からの刺激が強い部分に特に出やすく、約半数の方はかゆみを伴います。
    伝染する(うつる)病気ではありません。
    本来自分自身を守るべき免疫のバランスが崩れて、自身の皮ふを攻撃してしまうことから発症します。
    当院は乾癬の日本皮膚科学会認定乾癬分子標的薬(生物学的製剤)の使用承認施設です。
  • https://www.dermatol.or.jp/modules/
    biologics/index.php?content_id=4
  • 基幹病院にて事前検査(血液検査、胸部レントゲン等)を行っていただき、適応を確認して投与を行っています。注射の製剤によっては当院で導入も可能です。
    注射の他には内服薬も出てきていますので、従来の治療で治りにくい手ごわい乾癬でお困りの方はお気軽にご相談ください。

    乾癬治療のピラミッド計画

    乾癬の治療方法は重症度に応じて異なります。
    重症度に応じた乾癬治療の基本的な考え方は、図のピラミッドのように、重症度が上がるにつれ、ピラミッドの上の段の治療に変えるという、乾癬治療のピラミッド計画と呼ばれています。

    軽症の方は塗り薬だけでも改善が期待できます。
    重症の方ですと、塗り薬で 皮疹が改善しても次々に新しい症状が出てくる恐れがあるため、紫外線を当てる光線療法や重症度に応じて図のピラミッドにあるようなのような内服療法 (飲み薬) を併用します。
    それでも症状を抑えきれない場合、生物学的製剤を使用します。なお、重症の方や皮疹が軽くても関節炎などがある方は、はじめから 生物学的製剤等から治療を始めても構いません。
    当院は生物学的製剤投与承認施設であり、お困りの方はお気軽にご相談ください。

    乾癬治療のピラミッド計画

    ①外用療法
    (ビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬)

    ②光線療法
    (エキシマ、ナローバンドUVB)

    ③PDE4阻害薬
    (オテズラ®)、ビタミンA誘導体(チガソン®

    ④免疫抑制剤
    (免疫抑制剤(シクロスポリン®

    ⑤生物学的製剤
    (ソーティクツ®、コセンティクス®、スキリージ®等)

    生物学的製剤は、乾癬を引き起こすサイトカインを直接抑制するため、高い効果が期待できます。
    一方で、これらのサイトカインは体を守る免疫の働きも持っているので、生物学的製剤で働きを抑えることにより、風邪などの感染症にかかりやすくなる可能性があります。

    生物学的製剤は注射で投与します。注射は病院やクリニックで行いますが、注射で投与する生物学的製剤の中には、患者様自身による注射(自己注射)が認められているものもあります。
    自己注射をする場合は、医療関係者の指導のもとで、自己注射のやり方を患者様自身で習得して頂く必要があります。
    また自己注射をする際は主治医に指定された投与間隔や投与量を守って使用する必要があります。

  • 関連ページ:エキシマ光線療法(セラビーム)
  • エキシマ光線療法(セラビーム)

    疾患名エキシマ光線療法とは、これまでの光線療法よりさらに効果が高いと言われている、短い波長の紫外線を患部に照射して処置する新しい光線療法です。
    従来よりも短い波長を使うことで、肘や膝など、今まで治療が難しかった部位でも高い治療効果が期待できます。

    • 円形脱毛症アトピー性皮膚炎尋常性乾癬尋常性白斑掌蹠膿疱症類乾癬菌状息肉種(症)悪性リンパ種慢性苔癬状粃糖疹に効果があります。
    • 特徴としては一回の照射時間は数十秒と短い時間ですみ、特にこのセラビームは世界初のエキシマフィルターが搭載されているため、有害な紫外線をカットし照射部位が真っ赤に日焼けしにくくなっています。
    • 器械の照射面積が小さいので、全身的に使う方には対応できませんが、ほとんどのかたには使うことができます。

    エキシマ光線療法Q&A

    どのような病気に効果的な治療ですか?

    円形脱毛症・尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)・白斑(はくはん)・類乾癬(るいかんせん)・菌状息肉種(症)(きんじょうそく(しょう))・悪性リンパ種(あくせいりんぱしゅ)・慢性苔癬状粃糖疹(まんせいたいせんじょうひこうしん)に効果があります。

    エキシマ光線療法とはどのような治療法ですか?

    光線療法は、紫外線の免疫抑制作用を利用して過剰反応を起こしてる皮膚症状の沈静化をさせる治療法で、これまでの光線療法よりさらに効果が高いと言われている、短い波長の紫外線を患部に照射する、新しい光線療法です。

    痛くないですか?

    痛みはまったくありません。
    ほんわかと温かい感じがします。
    ただし、当日・翌日は、日焼けが強くなることがあるので、強い日光はさけるようにしましょう。

    どのように治療しますか?

    対象疾患や部位により変動ありますが、エキシマ光線を患部に、15秒~60秒程照射します。その後外用薬を塗布します。

    治療期間の目安はどれくらいですか?

    <尋常性乾癬>
    週に1~2回の照射で、10回目くらいから効果が出始め、20~30回くらいが目安とされています。
    <掌蹠膿疱症>
    週に1~2回の照射で、3~10回目から効果が出始め、20回くらいが目安とされています。
    <白斑>
    週に2回の照射で、10回目から効果が出始め、30~50回くらいが目安とされています。
    *あくまで目安であり、肌質や状態、照射頻度などにより変動します。
    *外用薬や内服薬との併用の治療となります。


    アトピー性皮膚炎

    アトピー性皮膚炎は皮膚の外的刺激から防御する能力であるバリア機能の低下と過敏に反応する体質(アレルギー体質)によって生じる、痒みを伴う湿疹が、慢性的に悪化や改善を繰り返す皮膚病です。
    遺伝的傾向と、生活環境の因子が複合して生じるのがアトピー性皮膚炎です。

    アトピー性皮膚炎の原因

    アトピー性皮膚炎の悪化には、アレルギー反応やバリア機能の障害がかかわってきます。

    ひとりひとりに個別の悪化要因がありますが、共通の悪化原因として、乾燥、発汗、皮膚の汚れ、ストレスまた、皮膚を掻く行動も大きな悪化要因となります。

    室内のほこりや、布団やぬいぐるみのダニが原因の場合があります。また、ペットの毛なども原因になることもあります。
    石鹸、ボディーソープ、シャンプー、リンスなども皮膚に刺激になる場合があります。

    アトピー性皮膚炎の治療

    日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づき、ひとりひとりの症状に合わせた標準治療を行います。

    日々のケアで良好なコントロールを維持していくために、当院では保湿剤、ステロイド外用剤の塗り方、内服薬のタイミング等の指導に力を入れております。

    症例によっては光線治療(エキシマレーザー)や、新しい治療薬(デュピクセント注射、コレクチム軟膏等)もご提案しております。お気軽にご相談ください。

    外用療法

    皮膚のバリア機能を補う保湿剤と生活指導を中心とし、日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎ガイドラインに従い、症状に応じた適切な強さのステロイド剤、またはコレクチム軟膏やプロトピック軟膏等の非ステロイドの外用剤を用いて治療していきます。

    経過によっては再発を予防するプロアクティブ療法を行うこともあります。

    適宜、必要な場合はエキシマ等の光線療法、難治な場合はデュピクセント注射等のご提案もさせていただいております。

    エキシマ光線療法

    紫外線の免疫抑制作用を利用して、過剰反応を起こしている皮ふの症状を沈静化させる「光線療法」と呼ばれる治療方法です。

    これまでの光線療法よりさらに効果が高いと言われている、短い波長の紫外線を患部に照射して処置する新しい光線療法です。

    従来よりも短い波長を使うことで、肘や膝など、今まで治療が難しかった部位でも高い治療効果が期待できます。

  • 詳しくは、エキシマ光線療法(セラビーム)をご覧ください。
  • デュピクセント注射

    アトピー性皮膚炎で過剰に働くサイトカインIL-4/13をブロックして、かゆみ、皮疹への効果を発揮します。

    2023年9月:アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント注射が小児も適応となりました

    デュピクセント注射:https://www.support-allergy.com/atopy/dupixent/dosing

    デュピクセント注射

  • デュピクセント®(デュピルマブ)注射が生後6ヵ月以上より適応となりました。ステロイド外用や内服治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、高い改善効果と安全性を示す薬剤として評価されています。
  • 当院は生物製剤承認施設として多くの患者さまへデュピクセント(デュピルマブ)の治療を行っており、初めて導入される場合にも安心して治療を受けていただけるように取り組んでおります。

    難治なアトピーでお悩みのお子様、保護者の方はお気軽にご相談ください。

  • 詳しくは、デュピクセントをご覧ください。
  • TARC検査

    白血球走化作用を持つケモカインの量を図る血液検査であるTARC(Thymus and activation-regulated chmokine)によって、アトピー性皮膚炎の病態を客観的に数値化することができるようになりました。

    アトピー性皮膚炎が重症の状態の場合ほど、数値が上昇し、寛解に向かうほど減少します。
    TARC検査が生まれたことで、皮膚状態は改善をしてきていても、重症度が高くまだ治療のゴールに達していない場合があることが分かってきました。TARCの数値が正常化する前に治療を中止すると、症状はすぐに悪化してしまいがちです。

    月に1回程度の検査を持続することで、薬をやめるタイミングを間違いにくくなります。

    内服薬での治療

    抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬など、アレルギー症状やかゆみをおさえる薬を内服することがあります。

    症状が悪くないときにも、予防的な意味からも服薬することがあります。

    12歳以上であれば現在ではリンヴォック®等のアトピー性皮膚炎に大変効果のある保険適応の内服薬も出ています。
    当院でも治療を行っておりますので、ご興味のある方はご相談ください。
    医師の指示のもと、正しく服用する必要があります。

    また、早い段階で湿疹を抑えることができるかが、色素沈着を防ぐ重要なカギとなります。

    保湿

    保湿皮膚の乾燥は、皮膚のバリア機能を落とし、症状を悪化させたり治りにくくさせたりします。保湿剤をつかって、十分な保湿を心がけることが大切です。

    水分やセラミドを補うもの、油分で皮膚を覆って水分の蒸発を防ぐものなど、いくつかのタイプがあります。剤形にもクリーム、ローション、軟膏などがあり、保湿効果や使用感が異なります。

    医師に相談をして、自分の皮膚に合ったものを選びましょう。症状が治まっているときでも、保湿だけは頻回にマメに行うことが大切です。


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