頭、顔面、前胸部、腋窩、陰股部などの脂漏部位(皮脂が出やすい部位)に一致 して赤くカサカサした湿疹ができる病気で、フケ症もこの一種です。
フケ症の原因
成人の脂漏部位に生じるので、皮脂の過剰分泌が原因といわれていますが、最近の研究結果では、マラセチアというカビ(真菌)の一種が発症に関与するのではないかともいわれています。
原因について、まだわかっていないこともありますが、生活サイクルの乱れ、ホルモンバランスの崩れ、ストレス、偏った食生活(ビタミンB群の不足)なども脂漏性皮膚炎の発症・悪化に関わっているようです。
脂漏性皮膚炎の治療には、医師が処方する塗り薬や飲み薬だけでなく、皮膚を清潔に保ち、皮脂を適度な量に保つなどの日頃からのケアも大切です。
日常生活の注意点
毎日の食事は栄養のバランスを考慮し、また皮脂分泌を抑制することできるといわれているビタミン(ビタミンB群、ビタミンEなど)を豊富に含む食事をとるのがよいでしょう。
丁寧に頭皮を洗ったり、顔を洗うことが重要です。しかし、洗いすぎは逆効果です(皮膚がカサカサになる)ので注意が必要です。洗髪は必ず毎日というわけではなく、痒みがない、フケがでない、といったことを目安に。
フケ症の治療
赤み、かゆみといった炎症にはステロイド外用剤が有効です。また、繰り返しやすい方には治療と予防を兼ねてケトコナゾールという抗真菌剤の外用も併用することがあります。
漢方薬も再発予防に有効な場合もあります。
ケトコナゾールと似たミコナゾールという成分の入っているシャンプーやリンスも市販されています。ご紹介いたしますので、お気軽にご相談下さい。
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シラミの原因
保育園、幼稚園、小学校で感染する子供が殆どです。
頭ジラミが増えた理由は海外旅行が増え、海外から持ち込まれる、シラミを知らない保護者が多く、感染に気がつかない事などが考えられています。頭ジラミは頭皮に寄生します。
接触や、帽子、タオルの共有、プールなどの脱衣所などで衣類を介しての感染もあります。
シラミの症状
頭部のかゆみと細かいフケ様の白い虫卵が毛髪に沢山付いていることで気づくことが多いです。
特に後頭部、側頭部の痒みが強くこの場所に頭ジラミの卵も多く見られます。
診断は頭髪の卵、虫体を顕微鏡で見て判断します。
シラミの治療
診断がついた場合、薬局で市販されているシラミ用シャンプー(スミスリン、シリコン等)を購入していただき、規定通りに使用して治療します。
薬剤耐性のアタマジラミも近年報告されており、専用電気ぐしなどを併用することもあります。
ブラシやタオルなど直接頭に触れるものは共用せず、 下着や枕カバー、シーツ等は毎日取り替え、他のものとは別に洗濯しましょう。
アタマジラミは熱に弱いので乾燥機の使用も有効です。
コートなどのように使用頻度が高く、毎日洗濯できないものについては、使用後ハケをかけましょう。部屋のくん煙剤などは不要とされています。
発症した場合の家庭での対応は各自治体がマニュアルを作っていることがあり、参考にされてください。
ケジラミの原因
ケジラミ症は体長約1mmのケジラミという虫が陰毛に寄生することによって生じます。
ケジラミは通常、性行為の際に人から人へうつり、陰毛に足をからませながら生活し、皮膚から吸血します。
ケジラミの症状
通常、陰部のかゆみが出ますが自覚症状がない場合もあります。また、時には陰毛以外にまつ毛、胸毛、腋毛などに寄生することもあります。
ケジラミの治療
フェノトリン(スミスリン)パウダーを散布し、約1時間後に入浴します。
このパウダーは卵には効果がないので、順次孵化してきた幼虫を殺すために3日に1回散布し、これを3~4回繰り返して治療します。
パウダー以外にシャンプータイプもあります。フェノトリンは、虫に対して致死効果が高く、人畜に対する毒性が低いので安全性が高いので、殺虫剤の成分として広く用いられています。
とびひの正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。
乳幼児・小児に好発し、特に初夏から真夏に多く発症します。細菌が皮膚に感染することで発症し、人にうつる病気です。
水疱や膿疱はすぐに破れ、中の菌があちこちに飛び散って広がり、新しい水疱や膿疱を作ります。それがまるで“飛び火”のようであることから、一般的に「とびひ」と呼ばれています。
とびひの原因
多くの場合、すり傷や、虫刺され・湿疹・あせもなどをかきむしったところに二次感染を起してとびひになります。また、アトピー性皮膚炎の患者さんのように、皮膚のバリア機能が低下している場合も感染しやすくなります。
原因となるのは、主に「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌(溶血性レンサ球菌)」という細菌です。黄色ブドウ球菌に感染すると水疱性(すいほうせい)膿痂疹(のうかしん)に、レンサ球菌に感染すると痂皮性(かひせい)膿痂疹になることが多いとされていますが、9割以上は黄色ブドウ球菌によるものです。
とびひの予防
特に夏は入浴し、皮膚を清潔にしましょう。とびひを発症させてしまった場合も、発熱などの全身症状がない限り、入浴させ、泡だてたせっけんで病変部をそっと丁寧に洗い流します。
ただし、兄弟姉妹がいる場合は、ほかの子ども達のあとで入浴させるほうがよいでしょう。
入浴後は、滲出液などが周囲に接触しないように、患部に軟膏の外用、ガーゼなどの保護処置が必要です。
とびひの治療
軽症では抗生剤の外用剤、中等症以上では抗生剤の内服も併用します。湿疹がベースにある場合は湿疹治療も並行して行います。
乳児や免疫の落ちている場合では全身性の重症型で発熱を伴うとびひである、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群に移行することもあり、注意が必要です。
とびひが治癒するまではプールや他のお子さんとの肌の接触は控えたほうが良いでしょう。